自動車保険の加入率

道路を走っているすべての車が自動車保険(任意保険)に加入していると思い込んでいる人はいないでしょうか。自賠責保険(強制保険)と違い、自動車保険には法律による加入義務はありません。あくまで個人の自由意思で加入するものなので、自動車保険に入っていない車も残念ながら存在します。本ページでは、自動車保険と自動車共済の加入率について解説します。

本ページの「加入」「加入率」に関する記載については、損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2019年度版(2020年5月発行)」に基づき作成しています。

自動車保険・自動車共済の加入率は90%に近いと予想される

多くの人が、「自分が当然のように実践していることは、他人も同様に行っている」と考えてしまいがちです。たとえば自動車を運転していて、他の車が自動車保険に入っているかどうかを気にしたことがある人は少ないでしょう。それは、自分が「車を運転する以上、自動車保険に加入するのが当たり前」と思い込んでいるからかもしれません。

しかし、自動車保険はあくまで個人の自由意思で加入するものです。法律による加入義務はありません。自動車保険の必要性・重要性を感じていない場合や経済的な理由などによっては、自動車保険に加入していない車も存在しています。それではどの程度の車が自動車保険に加入し、どの程度の車が加入していないのでしょうか。自動車事故における補償を提供するという意味で自動車保険とほぼ同様の役割を担う自動車共済のデータも含めて紹介していきましょう。

下記のグラフは、「対人賠償(対人賠償保険、対人賠償共済)」の、「2019年3月末時点での加入率」を示したものです。

「対人賠償(対人賠償保険、対人賠償共済)」の加入率

自動車保険で加入74.8% 自動車共済で加入13.3% 非加入・その他11.8%
  • 出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2019年度版(2020年5月発行)」
  • 小数点第2位で四捨五入しているため合計が100%にならない場合があります。

「対人賠償(対人賠償保険、対人賠償共済)」の加入率は、自動車保険と自動車共済を合計すると88.2%です。自動車共済の加入率のもととなる数値は、JA共済、全自共、交協連、全労済から、損害保険料率算出機構に対して報告があったもので、それ以外の共済は含まれていないことを考慮すると、90%に近い数の車が自動車保険もしくは自動車共済に加入していると推定されます。

90%という数字を見ると、「ほとんどすべての車が自動車保険もしくは自動車共済に加入しているから安心」と捉えてしまいそうですが、見方を変えれば、10台に1台の車は自賠責保険にしか加入していない可能性があるということです。自賠責保険にしか加入していない車と事故を起こして損害を被ると、十分な損害賠償を受けられないこともあります。現実としてしっかりと認識しておいたほうがいいでしょう。

自動車保険・自動車共済における「対人賠償(対人賠償保険・対人賠償共済)」の加入率は都道府県によって異なる

自動車保険・自動車共済の「対人賠償(対人賠償保険・対人賠償共済)」に関するデータを都道府県別に見てみましょう。都道府県によって加入率が大きく異なります。以下に掲載したのは、2019年3月末時点での、都道府県別に見た「対人賠償(対人賠償保険・対人賠償共済)」の加入率が高い都道府県と加入率が低い都道府県です。加入率が最も高いのが富山県で92.3%です。最も低かったのは沖縄県で78.4%となっています。

都道府県別「対人賠償(対人賠償保険、対人賠償共済)」の加入率

加入率が高い都道府県
順位 都道府県 加入率
1 富山県 92.3%
2 香川県 91.6%
3 島根県 91.5%
4 石川県 91.3%
5 愛知県 91.2%
加入率が低い都道府県
順位 都道府県 加入率
1 沖縄県 78.4%
2 鹿児島県 82.2%
3 山梨県 84.3%
3 宮崎県 84.3%
4 茨城県 84.4%
  • 出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2019年度版(2020年5月発行)」

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